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安栄のよもやま話~第17回~

皆さんこんにちは!

 

長野県松本市を拠点に解体工事など総合建設工事を行っている

安栄株式会社、更新担当の富山です。

 

 

 

内装解体・スケルトン工事

― 新しい空間づくりのスタートライン ―


🔹 スケルトン工事とは?

 

スケルトン工事とは、**店舗やオフィスの入れ替え・リフォームの際に行う「内装のみの解体工事」**です。
建物全体を壊すわけではなく、内装材・設備・仕上げだけを撤去して構造体を残す工事のことを指します。

壁・天井・床・電気・配管などを取り除き、コンクリートや鉄骨だけの状態――つまり「骨組み(スケルトン)」に戻すことで、
次のテナントや内装工事をスムーズに行える環境を整えるのが目的です。


🔸 施工の流れ

 

  1. 現地調査・図面確認
     既存設備の位置や配管・配線ルートを入念に確認。撤去範囲や養生方法を計画します。

  2. 養生作業
     エレベーター・共用部・通路などを丁寧に保護。騒音・粉塵が漏れないよう防音シートで囲い込みます。

  3. 撤去作業
     天井材・床材・間仕切り・空調設備・照明器具・配線を順に撤去。
     安全確認を行いながら、手作業と重機作業を併用して進めます。

  4. 搬出・分別処理
     廃材は木くず・金属・コンクリートなどに分別し、リサイクル法に基づいて処理。
     この工程で環境負荷を最小限に抑えます。

  5. 仕上げ・清掃
     スケルトン状態に戻した後は、粉塵を完全に除去し、次の内装工事がすぐに入れる状態に整えます。


🏗️ スケルトン工事が必要とされる現場

 

  • 店舗の入れ替え(居抜きから新店舗へ)

  • オフィスの改装・移転

  • テナント退去時の原状回復

  • 老朽化した内装設備の全面更新

 

このような現場では、既存の構造を壊さずに内装だけリセットできるスケルトン工事が最適です。

また、鉄骨やRC造のビルでは、構造体を残すことで工期短縮・コスト削減にもつながります。


💡 スケルトン工事のポイント

 

  • 残す部分と撤去する部分の境界を明確に!
     設計図に基づき、誤撤去を防ぐための事前ミーティングが必須。

  • 電気・水道・空調ラインの確認を徹底!
     誤って生きている配管を切断すると、事故や漏電の原因に。

  • 近隣配慮も重要!
     店舗やオフィスが並ぶビル内では、騒音・振動・粉塵対策が欠かせません。


✨ まとめ

 

スケルトン工事は、新しい空間づくりの第一歩
古い内装を撤去し、構造体だけを残すことで、設計の自由度が高まり、
「ゼロからの再生」が可能になります。

経験豊富な職人が手掛けるスケルトン工事は、
次の施工業者が気持ちよく作業できる“きれいな現場”を生み出します。

🔹「壊す」だけではなく、「未来の空間を準備する」――
それが私たちのスケルトン工事です。

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第16回~

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🏢RC造(鉄筋コンクリート造)解体の特徴 ― 最も手間とコストがかかる解体工事

 

 

 

RC造(鉄筋コンクリート造)は、住宅からマンション、高層ビルまで幅広く採用される構造です。

鉄筋とコンクリートが一体化しており、非常に強固で耐久性に優れています。

だからこそ、解体には時間もコストもかかり、特殊な技術と機械が必要になります。


🧱 RC造の強固さと解体の難しさ

 

RC造の解体が難しい理由は、鉄筋とコンクリートが密接に組み合わさっている点にあります。

  • 鉄筋:建物の骨格として強度を支える

  • コンクリート:外的な圧力や荷重を受け止める

この二つが一体化しているため、単純に壊すのではなく「砕く・切る」を繰り返す必要があります。


⚙️ 重機とアタッチメント

 

RC造解体では、専用アタッチメントを装着した重機が活躍します。

  • 油圧ブレーカー:コンクリートを破砕

  • クラッシャー:鉄筋を挟み切断しながらコンクリートを砕く

  • カッター:鉄筋を正確に切断

これらを使い分けることで、徐々に建物を崩していきます。


🏙️ 高層ビルの階上解体

 

高層のRC造ビルでは「階上解体」という手法が用いられます。

  1. 上階に小型重機を搬入

  2. 上から順に床や壁を砕きながら、徐々に下の階へ進む

  3. 作業床を確保しつつ、安全に取り壊しを進行

一度に建物を崩すのではなく、少しずつ解体することで崩落リスクを避け、騒音や粉じんの抑制にもつながります。


🌪️ 騒音・粉じん対策

 

RC造の解体では、破砕時の大きな騒音と粉じんが問題となります。

  • 防音パネルの設置:近隣への騒音を低減

  • 散水作業:粉じんの飛散を防止

  • 作業時間の配慮:昼間のみの施工で周囲への影響を抑える

住環境への影響を最小限に抑える工夫が不可欠です。


♻️ 資源リサイクルの視点

 

RC造の解体で発生したコンクリートは、破砕して路盤材などに再利用されます。鉄筋はスクラップとして製鉄所に戻され、新たな資源へ。


**「壊す」だけではなく「資源に戻す」**ことがRC造解体の大きな役割の一つです。


✅ まとめ

 

RC造の解体は「最も手間とコストがかかる解体工事」と言われます。
その難しさを克服するためには、専用重機と高度な技術、そして周囲への配慮を欠かさない施工管理が不可欠です。

安全性・環境配慮・資源循環――この三本柱を守りながら進めることこそが、RC造解体を成功させるポイントです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第15回~

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🏗️鉄骨造建物の解体 ― 強靭な構造を安全に取り壊すための技術と工夫

 

 

 

鉄骨造建物は、その名の通り「鉄の骨」で組み上げられた構造物です。


柱や梁は溶接やボルトで強固に接合されており、耐震性や耐久性に優れています。

だからこそ、解体には高度な技術と安全管理が欠かせません。


🔎 鉄骨造の特徴と解体の難しさ

 

木造や軽量鉄骨と比べ、鉄骨造は圧倒的に強固です。

そのため簡単には壊れず、以下のような難しさがあります。

  • 接合部が溶接やボルトで固定されているため、切断作業が必須

  • 鉄骨は重量が大きく、落下リスクが常に伴う

  • 解体時の騒音や火花など、周囲への影響が大きい

このため、鉄骨造解体は「人の技術」と「重機の力」の両方が求められる工事なのです。


🔥 ガス切断による作業

 

鉄骨を切り離す際に活躍するのが、ガス切断です。

酸素とアセチレンを使った高温の炎で鉄骨を溶かし、梁や柱を切断します。

ただし火気を伴うため、以下のような対策が必須です。

  • 火花の飛散防止用シートの設置

  • 消火器や水バケツの常備

  • 火気監視員の配置

安全を守るために、一つひとつの工程を慎重に進めていきます。


🚧 重機による切断と撤去

 

厚みのある鉄骨や大断面の梁は、ガス切断だけでなく重機での切断が必要です。

鉄骨切断用の大きなカッターや、専用アタッチメントを装着した重機が使われます。

  • 大型カッター:柱や梁を効率的に切断

  • クレーン:吊り上げて安全に撤去

  • ショベル系重機:切断後の鉄骨を集積・搬出

現場全体で役割を分担しながら、計画的に作業を進めます。


👷 作業員とオペレーターのチームワーク

 

鉄骨造解体で特に重要なのが、玉掛け作業員とクレーンオペレーターの連携です。

  • 玉掛け作業員:鉄骨にワイヤーを掛け、安全に吊り上げる準備を行う

  • クレーンオペレーター:合図を確認しながら鉄骨を持ち上げ、指定の場所へ移動

 

一瞬の判断ミスが大きな事故につながるため、合図や無線でのやり取りを徹底します。

まさに「呼吸を合わせる仕事」と言えます。


✅ まとめ

 

鉄骨造建物の解体は、強靭な構造をいかに安全に分解するかという大きな挑戦です。


ガス切断・重機作業・玉掛けとクレーン操作、それぞれの技術が組み合わさり、初めて工事が成り立ちます。


**「重量物を安全に扱う」**という意識を全員が共有し、チーム全体で進めることが成功の鍵なのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第14回~

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木造住宅の解体工事

 

 

 

解体工事の中でも最も身近で、依頼件数が多いのが木造住宅の解体工事です。

老朽化した住宅や建て替え予定の家を対象に行われ、地域住民にとっても日常に直結する工事といえるでしょう。

しかしその分、騒音・粉塵・近隣への配慮が特に求められる繊細な作業でもあります。


■ 木造住宅解体の特徴

 

木造住宅は鉄筋コンクリート造に比べると壊しやすい構造ですが、柱・梁・屋根などが複雑に組まれているため、計画的に崩していく必要があります。

解体作業は「上から下へ」が基本。屋根材や瓦から取り外し、壁材、柱と段階を追って進めます。


■ 工程の流れ

 

  1. 養生シート設置
    周囲への粉塵飛散を防ぐため、解体前に敷地全体を養生します。

  2. 内装材の撤去
    畳や建具、家具などを分別して搬出。リサイクルや再利用可能な資材はこの段階で仕分けされます。

  3. 屋根・外壁の解体
    瓦や屋根材、外壁材を慎重に撤去。飛散防止のために散水を行いながら作業します。

  4. 構造体の解体
    柱や梁を重機または手作業で崩し、建物全体を取り壊します。

  5. 基礎の撤去
    コンクリート基礎をブレーカーで破砕し、整地を行います。


■ 環境への配慮

 

木造住宅の解体で出る木材は、焼却処分されるだけではなく、チップ化されてバイオマス燃料や合板の原料として再利用されることが多くなっています。

また、金属部分はスクラップとしてリサイクル。廃材を「ゴミ」ではなく「資源」と捉える取り組みが進んでいます。


■ 近隣への配慮

 

住宅街での工事は「静かで安全に」が必須条件。

  • 作業時間を日中に限定する

  • 粉塵を抑えるために散水を徹底する

  • トラックの出入りを最小限にする
    など、住民への負担を軽減する工夫が行われています。近隣住民への事前挨拶や説明も、トラブル防止のために欠かせません。


■ 木造解体のこれから

 

今後は住宅の老朽化に伴い、木造解体工事の需要はさらに増加すると予想されています。

同時に、廃材のリサイクル率向上や環境負荷の低減が求められます。

解体工事は「新しい住まいづくりの第一歩」であり、地域社会にとって欠かせない大切な役割を担っているのです。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第13回~

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解体工事で使われる重機

 

 

 

解体工事の現場では、人力だけでは到底対応できない規模や硬度の建物を取り壊すために、多種多様な重機が活躍しています。

重機は単なる「力任せの道具」ではなく、現場の条件や建物の構造に合わせて使い分けることで、安全性と効率性を最大限に高める存在です。

ここでは代表的な重機について、もう少し詳しく解説していきましょう。


■ バックホー(油圧ショベル)

 

最も一般的に使用される重機で、解体工事の“万能選手”といえる存在です。

先端にアタッチメントを付け替えることで、掴む・壊す・運ぶといった多彩な作業に対応可能。

  • コンクリートを破砕する時には大割・小割機を装着

  • 建材を仕分ける時にはグラップルを装着
    といったように、一台で複数の役割を果たせるため、解体工事の現場では欠かせません。


■ ブレーカー

 

コンクリートの基礎や道路を打ち砕くための強力なアタッチメント。

先端のチゼルが激しい打撃を繰り返し、硬いコンクリートを効率的に破壊します。


ただし、騒音や振動が大きいため、都市部や住宅街での使用時には時間帯の制限や防振対策が欠かせません。


■ 大割機・小割機

 

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を解体する際に使われます。

  • 大割機:大きなコンクリートの塊をつかみ、強力な圧力で粉砕。

  • 小割機:細かく砕いて鉄筋とコンクリートを分離。
    この工程によってリサイクルが容易になり、廃材の再利用率を高めることができます。


■ 解体専用機(ロングアーム)

 

高層建物の解体で欠かせないのが、アームが通常より長い「ロングアーム解体機」。

ビルの上部から徐々に解体することで、安全に崩していくことが可能です。

人が高所で危険な作業をする必要がなくなるため、近年では都市部を中心に広く活用されています。


■ ダンプトラック

 

解体現場で発生する膨大な量の廃材を運搬するために使用します。

木材、鉄骨、コンクリート片などを分別しながら積み込み、適正な処理場へ搬出する役割を担います。

現場の回転率を高めるためには、ダンプトラックの効率的な手配も非常に重要です。


■ 重機選定の重要性

 

解体工事における重機の選定は、単なる「壊すための道具選び」ではなく、現場全体の安全性と効率性を大きく左右します。

建物の構造や規模、周辺環境(住宅街なのか、工業地帯なのか)によって最適な機械を組み合わせることが必要です。

経験豊富な現場監督の判断力と、オペレーターの熟練度が工事の成功を支えているのです。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第12回~

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解体工事の未来とは?~デジタルと人の融合がつくる新時代の“終活建設”~

 

 

 

前回の記事では、解体工事と環境問題の関係についてお話しました。

今回はさらに一歩踏み込み、「解体工事の未来」について一般的な市場での例を基に考えてみたいと思います。

老朽化インフラが進む一方、技術革新も止まらない今。
この業界は、これからどんな進化をしていくのでしょうか?


■ 2030年問題とインフラ老朽化

 

現在、日本では1960〜70年代に建てられた建物の大量老朽化が進んでおり、国や自治体は更新・解体の必要性を訴えています。


特に以下の分野では、今後急激な解体需要の増加が見込まれています:

  • 高度経済成長期に建てられた団地・公共施設

  • 老朽化が進んだ橋梁・学校・商業ビル

  • 耐震基準を満たさない建物

この“大解体時代”に備え、解体技術の安全性とスピード、そして環境配慮の高度化がますます求められるようになるでしょう。


■ デジタル解体の時代がやってくる

 

近年、建設業界におけるICT・AI・ロボティクスの導入は解体分野にも波及しています。

■ 3Dスキャンと解体シミュレーション

解体前に建物の状態を3Dデジタルデータで完全に把握し、施工計画を可視化。
これにより「どこから壊すか」「どの順序で安全か」「どこにアスベストがあるか」まで明確に管理可能に。

■ 遠隔操作型重機・ロボット

人が立ち入れない危険区域でも、遠隔で操作できる解体ロボットの開発が進んでいます。
崩落リスクや粉じん暴露などの危険作業を代替する動きが加速中です。

■ AIで資材を自動分別

鉄・木・コンクリート・混合廃棄物を、AI画像認識で自動仕分け・搬送するスマート工場も登場。
今後、解体と再資源化の一体運用が加速していくと予測されます。


■ 人材不足にどう対応するか?

 

解体業界も例外ではなく、深刻な人手不足に直面しています。
特に「熟練工の高齢化」と「若年層の離職」が大きな課題です。

ここで期待されているのが、

  • 作業の省力化と自動化

  • 教育のデジタル化(VR解体訓練・シミュレーター)

  • 安全管理のデータ化(IoTセンサー)

これらの導入によって、「危ない・きつい・汚い」という3Kイメージを脱却し、**若手が働きたくなる“スマート解体業”**を実現することが求められます。


■ 解体は「都市のリニューアル工事」へ

 

これからの解体工事は、「老朽化した建物を壊す」という従来のイメージから、**「新しい街をつくるためのリニューアル工事」**へと大きく意味づけが変わっていくでしょう。

街の“再生”の一歩目を担う仕事として、より多くの人が関心を持ち、支援される立場になるかもしれません。


まとめ:壊すことは、創ることの始まり

 

解体工事の現場には、過去と未来が交錯しています。
古い構造物を手放すことで、次の時代へとつながる“空間”が生まれるのです。

今後ますます求められるのは、

  • 環境への配慮

  • テクノロジーの導入

  • 若手の育成と多様な働き方

そして何より、「壊す仕事=未来をつくる誇りある仕事」だという再認識。

私たちは、その大切な仕事の担い手として、次のステージへ向かって一歩一歩進んでいきます。

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第11回~

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解体工事と環境問題~「壊す仕事」が、社会の持続可能性を支えている~

 

今回は、建築物の終わりを担う「解体工事」と、そこに密接に関わる環境問題について掘り下げます。

一見、“壊すだけ”に見える解体工事。


しかし実際には、膨大な廃棄物処理・資源循環・大気や騒音への配慮といった、さまざまな環境的課題が折り重なる、非常に高度で重要な分野です。


■ 解体工事が生む“環境インパクト”

 

建物を解体する際には、多くの物質が発生します。
コンクリート、鉄骨、木材、断熱材、ガラス、石綿、プラスチック、電線、塗装、内装材など…。

中でも注目すべきは以下の3点です:

① 建設廃棄物の量

建設業界は日本国内の廃棄物排出量の中でも非常に大きな割合を占めており、そのうちの約50%が解体工事によって発生しています。

② 有害物質の処理

アスベスト(石綿)やPCB(ポリ塩化ビフェニル)など、人体や自然に有害な物質を含む建材が、古い建物には多く残っています。

③ 騒音・振動・粉じん

解体現場の近隣住民にとって、健康被害や生活環境悪化につながる恐れがあるため、周囲への配慮が欠かせません。


■ 環境に配慮した“静かな解体”へのシフト

 

こうした問題に対応すべく、現代の解体工事では、次のような環境配慮型の手法が採用されています。

■ 低騒音・低振動機械の導入

油圧カッター、ブレーカー、ウォールソーなど、従来よりも騒音・振動が少ない重機が登場し、都市部や住宅地での解体がよりスマートに。

■ 養生・散水・粉じん抑制技術

現場を防音シートや防塵ネットで囲うことは基本中の基本。
加えて、散水装置やミストガンを使って粉じんの飛散を抑えるなどの先進的なダスト対策も一般的になってきました。

■ 分別解体の徹底

法令に基づき、「木材・金属・コンクリート・廃プラ」などを建物解体中にきっちりと分別し、資源として再利用可能な状態で搬出する工程管理が求められます。


■ SDGs・脱炭素社会とリンクする「解体工事の使命」

 

今、私たちの社会は「循環型社会」や「脱炭素社会」への移行を目指しています。


そのなかで、解体工事は単なる“終わりの作業”ではなく、**資源を次へとつなぐ「始まりの作業」**へと意識が変わりつつあります。

再利用可能な資材を丁寧に取り出し、建築資材としてリユースする流れ(=都市鉱山の活用)も始まっています。

壊すことが、次の価値を生む。
それが、これからの解体工事が担う環境への役割です。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第10回~

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解体工事の鉄則について

~安全・環境・信頼を守るプロの心得~

今回は解体工事の鉄則=絶対に守るべき基本と心構えについて掘り下げます。

解体は、建設業の中でもリスクが高く、専門性が強い仕事です。だからこそ、プロとして守るべき“鉄則”がいくつもあります。

今回は、現場で実際に大切にされている考え方とルールを整理しながらご紹介します。


■ 鉄則①:安全第一。命を守るための計画と準備

 

解体工事では、高所作業・重機作業・倒壊リスクなど、あらゆる危険がつきまといます。
だからこそ、工事前の計画段階が命を守る第一歩です。

  • 事前調査で構造や材質、危険箇所を把握

  • 解体手順の明文化と工程管理

  • 必要な保護具、安全帯、安全ネットの準備

  • 緊急時マニュアルや避難ルートの整備

 

現場では常にヒヤリ・ハットの共有が行われ、誰もが「想定外」に備える意識を持っています。


■ 鉄則②:環境への配慮は信頼の証

 

現代の解体現場において欠かせないのが、周囲への影響を最小限に抑える工夫です。

  • 騒音・振動を抑えるための機械選定

  • 粉じん飛散を防ぐ散水や防音シートの設置

  • アスベスト調査の実施と専門業者による除去

  • 廃棄物の分別・リサイクル率の向上

 

これらを怠ると、近隣トラブル・行政指導・信頼失墜につながります。
だからこそ、“壊す”のではなく、“守る”解体がプロの姿勢なのです。


■ 鉄則③:工程管理の正確さがトラブルを防ぐ

 

解体工事は建設工事のスタートライン。遅れはその後のスケジュールに直結します。

  • 近隣への説明や届出のタイミング

  • 重機や人員の稼働計画

  • 突発対応に備えた柔軟なスケジューリング

 

こうした工程管理の正確さが、円滑な進行と信頼構築を実現します。


■ 鉄則④:現場は“チーム”で動く

 

解体現場では、重機オペレーター、ガス工、手元作業員など、多様な専門職が連携しています。
そのためには、明確な指示と情報共有、そして相互尊重が不可欠です。

  • 朝礼での全体指示と注意点の共有

  • 危険作業時の声かけ・確認動作の徹底

  • ベテランと若手の技術伝承とフォローアップ

 

「連携が安全を生む」――それが解体現場の鉄則です。


■ 鉄則⑤:壊した先に“新しい未来”があることを意識する

 

解体工事の最後の鉄則は、「目的を見失わない」ということ。
それは単に建物を壊すのではなく、次の時代・新しいまちづくりの第一歩であるという意識です。

「壊す」=「終わり」ではなく、「始まりの仕事」であると自覚しながら、私たちは日々の現場に向き合っています。


■ まとめ:解体工事は、壊す技術ではなく、未来を創る“心構え”

 

解体工事の鉄則は、どれも人命・環境・信頼・未来を守るためのものです。
単なる“力任せの破壊”ではなく、“計画的・安全・丁寧”な作業が、これからの解体工事に求められています。

建物の最期を任される責任ある仕事として、私たちはこれからも、鉄則を守り、信頼される解体業者であり続けたいと考えています。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第9回~

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解体工事の歴史について

~建物を壊すということの本当の意味~

今回のテーマは、私たちの生活環境と切っても切り離せない「解体工事」の歴史についてです。


建物を「建てる」仕事が注目されがちですが、同じくらい重要なのが「壊す」仕事――それが解体工事です。

私たちの暮らしを支えてきた解体工事が、どのような背景と変遷をたどってきたのか。時代ごとの特徴を交えて、じっくり振り返ってみましょう。


■ 古代~江戸時代:再利用が当たり前だった時代

 

解体工事の概念は、実は古代から存在しています。


日本では、木造建築が主流だったこともあり、**“壊す”というより“分解して再利用する”**という文化が根付いていました。

江戸時代には、建物の部材を組み直す「曳家(ひきや)」や「移築」がよく行われており、職人たちは木材を丁寧に抜いて再利用していました。
現代のように重機で一気に破壊するのではなく、“素材を活かす”という職人気質が重んじられていたのです。


■ 明治~戦前:近代建築とともに変わる解体工事

 

明治時代以降、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨(S)造の建物が登場し、解体工事の難易度が急上昇します。

特に都市部では高層建築の需要が高まり、「手壊し」だけでは間に合わない時代に。
この頃から人力作業に加えて道具や機械を導入する動きが広まり、くぎ抜きやのこぎり、バールといった工具が解体に使われるようになりました。

また、都市部の再開発や震災の復興工事にともない、一時的に大量の建物を取り壊す必要が生じ、「解体業」が専門化していく契機となります。


■ 戦後~高度経済成長期:スクラップ・アンド・ビルドの時代

 

第二次世界大戦後、日本は急速な復興とともに建設ラッシュが起こり、「建てては壊す」時代に突入します。
高度経済成長期には、戦前の木造家屋や老朽化した建築物をスピード重視で解体することが求められました。

この時期に普及したのが、油圧ショベル(ユンボ)や鉄球を使った重機解体です。
解体効率が大幅に向上し、重機による“破壊”の時代が幕を開けます。

一方で、粉じんや騒音、アスベストなどの環境・健康への影響が顕在化し、解体工事の「安全」と「周囲への配慮」が新たな課題として浮上します。


■ 現代:環境対応型の解体工事へ

 

2000年代以降、建築リサイクル法や石綿障害予防規則といった法制度の整備が進み、「壊す」から「分けて、守る」へと解体工事の考え方が大きく変わりました。

  • 分別解体による廃棄物の適正処理

  • 粉じん・騒音対策のための養生・散水設備の充実

  • アスベスト除去の事前調査と報告義務化

 

現在では、建設業の中でも高度な知識と技能を要する分野となっており、職人たちは「壊す技術」に誇りを持ちながら、安全と環境の両立を目指しています。


■ まとめ:解体は“未来をつくるための仕事”

 

解体工事は、単なる“破壊行為”ではありません。
それは、次の建築のための“準備”であり、時代の移り変わりを支えてきた「再出発の第一歩」でもあります。

その歴史をたどると、時代の価値観と技術進化が凝縮された職種であることがよくわかります。
次回は、そんな解体工事の現場で大切にされている「鉄則」について詳しくご紹介します。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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安栄のよもやま話~第8回~

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さて

今回は、解体後

ということで、建設物解体後の作業プロセス、廃材の適切な処理、土地の整備と地盤調査、環境保全のための取り組み について詳しく解説します♪

 

解体工事が完了した後も、現場ではさまざまな作業が必要です。ただ建物を取り壊すだけではなく、廃材の処理・土地の整地・地盤の確認・新たな活用のための準備 など、次のステップへ進むための重要なプロセスが含まれます。これらの作業を適切に行うことで、環境への負荷を最小限に抑えながら、安全でスムーズな土地の再利用が可能になります。


1. 建設物解体後の作業の重要性とは?

建物を解体した後の作業には、廃材処理・地盤整備・環境対策 などが含まれます。これらを適切に行わなければ、廃棄物の不法投棄や地盤沈下、環境汚染のリスク が高まります。

廃材の適切な処理とリサイクルによる環境負荷の軽減
地盤を整備し、安全で安定した土地を確保
新たな建築や土地活用をスムーズに進めるための準備

解体後の作業を怠ると、トラブルや追加コストが発生する可能性がある!


2. 建設物解体後の作業プロセス

(1) 廃材の撤去と分別処理

解体工事後には、大量の建設廃材が発生します。これを適切に処理し、リサイクル可能なものは再利用することが重要です。

コンクリート・アスファルト → 砕石化し、道路舗装材として再利用
木材 → チップ化して燃料や合板材料として活用
鉄骨・金属 → 製鋼原料としてリサイクル
プラスチック・ガラス → 廃棄物処理業者による適正処理
有害物質(アスベスト・鉛など) → 法令に基づいた専門処理

解体廃材のリサイクル率を高めることで、環境負荷を低減!


(2) 残存基礎や地下構造物の撤去

解体が終わった後も、地中に建物の基礎や地下構造物が残っている場合があります。

コンクリート基礎の撤去 → 新たな建築のために地盤を整える
地中埋設物(古い配管・浄化槽)の撤去 → 未来の建築トラブルを防ぐ
地中障害物の確認 → 事前調査で未知の埋設物を特定し、安全に除去

🏗 地中に不要なものが残らないよう、丁寧な確認と撤去作業が必須!


(3) 整地・地盤の均し

解体後の土地は、不均一な状態になっているため、整地作業が必要 です。

重機を使用し、地面を均等にならす
大型ローラーで地盤を締め固め、沈下を防止
排水処理を考慮し、水はけの良い土地に整備

📌 整地作業をしっかり行うことで、次の活用がスムーズに!


(4) 地盤調査と補強作業

地盤の強度を確認し、必要に応じて改良を行うことが重要です。

地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験・ボーリング調査など)
地盤改良(柱状改良・表層改良・鋼管杭打ち)
軟弱地盤の場合、追加の補強工事を実施

🏠 特に新築を建てる予定がある場合、地盤の強度を事前に確認することが重要!


(5) 環境対策と近隣ケア

解体後の土地利用を考慮し、環境への影響を最小限に抑えるための対策 も必要です。

粉塵・騒音対策(散水・植栽による防塵効果)
周辺の道路や歩道の清掃を徹底
近隣住民への報告とコミュニケーションを継続

🌍 環境への配慮と地域との調和を大切に!


3. 解体後の土地活用プランと準備

解体後の土地をどのように活用するかによって、整備の方法が変わります。

(1) 住宅建築を予定している場合

建築基準法に適合した地盤強度の確保
排水計画を考慮した土地整備
建築確認申請の準備


(2) 駐車場や資材置き場として活用する場合

簡易舗装(砂利敷き・アスファルト舗装)で利用開始が可能
フェンスやゲートを設置し、安全管理を強化


(3) 賃貸・売却を検討する場合

地盤改良の有無を確認し、資産価値を高める
不動産業者と連携し、最適な活用方法を模索

🏗 解体後の土地の活用方法を明確にすることで、無駄なく計画的な整備が可能!


4. まとめ:解体後の作業を適切に行い、安全で価値のある土地を再生しよう!

解体後の廃材は適切に分別・リサイクルし、環境負荷を低減
地下構造物を撤去し、次の建築のための基盤を整備
地盤調査・改良を行い、安全な土地活用を実現
環境対策と近隣住民への配慮を忘れずに行う
解体後の土地活用計画を明確にし、スムーズな再開発につなげる

🏠 解体工事は「建物を壊すだけ」ではなく、解体後の適切な処理と土地整備が最も重要!
しっかりとした計画と管理を行うことで、安全で持続可能な土地活用 を実現しましょう!

 

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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